転造とは、回転成形の一種で、強い力を加えて素材を変形させる塑性加工の一つです。
棒状の加工素材を回転させながら、転造ダイスと呼ばれる工具により成形します。
転造は、おねじの加工用に開発された加工方法であり、転造加工の現場において、現在でも最も利用されているのはおねじ加工となりますが、他にも、スプライン・セレーション・ウォーム・ローレット等のような回転対称体である機械要素部品の加工に用いられています。
これらを読むと小難しい話に聞こえがちですが、以下で、転造設備メーカー様が分かりやすく解説されていますので、是非ご参考になさって下さい。
http://www.sanmei-works.jp/technology/rolling01.html(株式会社三明製作所様HPより)
一例として、ネジを成形する場合、一般的な加工法は「切削」と「転造」の二択となります。
形状・精度・数量・必要強度等により、適した方を選択しますが、一般的に、「転造」で対応できる場合はその方がメリットは大きいと言われております。
転造を行う「転造盤」にも様々な種類がありますので、その都度、最も適した設備を選択して行きます。
(高い生産効率)
(SDGs)
(品質安定)
一見メリットしかないようにみえる『転造』ですが、中空素材で肉薄のもの ・
パイプ等中空で長いもの
については穴が潰れてしまったりする等で『転造』による加工は不向きとされていた時代があり、かつては「切削」でのみ加工がされていました。
ところが、時代が移り変わって、最新式の『転造盤』の登場や、それらを用いた加工条件の研究・開発等により、かつては「切削」でしか加工が不可能だと思われていた製品の『転造』による加工が現実のものになりつつあり、近い将来の『転造』分野の潜在可能性において裾野の広がりが見えて来ています。